心してまれに吹きつる秋風を
山おろしにはなさじとぞ思ふ
- 歌の意味
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心を配って、まれに吹いてきたこの秋風を、激しい山おろしの風にはするまいと思う。
- 鑑賞
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巻第十六 雑歌二 1138
詞書「返し」
心してまれに吹いてきた秋風を、山おろしにはするまいと思う、と詠んだ歌である。前歌の初秋風を受け、帝から賜ったまれな扇の風を大切に扱い、荒々しい山おろしのようには吹かせまいと応じている。
前歌の少弐乳母の歌に対する大輔の返しである。
作者の大輔は、後撰和歌集の時代の女房歌人で、源弼の娘とされる。
初句「心して」は、心を配って、気をつけて、の意である。
二句「まれに吹きつる」は、まれに吹いてきた、の意で、めったにない帝からの賜り物であることをいう。
三句「秋風を」は、秋風を、の意で、前歌の四句「初秋風は」を受けている。
四句「山おろしには」は、山から吹き下ろす激しい風には、の意で、前歌の「ね所高く」の高い所に応じて山を持ち出している。
結句「なさじとぞ思ふ」は、するまいと思う、の意で、「じ」は打消の意志、「ぞ」は強意の係助詞で、連体形「思ふ」で結ぶ係り結びとなっている。
やまおろし:山から吹き下ろす激しい風
- 作者
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大輔
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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吹き出づるね所高く聞こゆなり 初秋風はいざ手ならさじ
- 次の歌
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はかなくて絶えなむくものいとゆゑに 何にか多くかかむとぞ思ふ