隠れゐて我が憂きさまを水の上の
泡ともはやく思ひ消えなん
- 歌の意味
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隠れていて私のつらい有様を見たあなたは、水の上の泡のように、早く思いも消えてしまうことだろう。
- 鑑賞
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巻第十六 雑歌二 1153
詞書「男の隠れて女を見たりければ、つかはしける」
隠れて私のみじめな姿を見たあなたは、水の上の泡のように早く思いも消えてしまうだろう、と詠んだ歌である。男にこっそり姿を見られた女が、飾らない姿を見られた恥ずかしさと、それで心が冷めるだろうという嘆きを、消えやすい泡にたとえている。
詞書によれば、男が隠れて女の姿をのぞき見たので、女が送った歌である。巻第十五の第千百十五首にも「水の上の泡に消えぬる」と詠まれ、はかなく消えるものの比喩が通っている。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「隠れゐて」は、隠れていて、の意で、男がこっそりのぞき見たことをいう。
二句「我が憂きさまを」は、私のつらく見苦しい様子を、の意である。
三句「水の上の」は、水の上の、の意で、字余りとなっている。
四句「泡ともはやく」は、泡のように早く、の意で、消えやすい泡に、冷めていく思いをたとえている。
結句「思ひ消えなん」は、思いも消えてしまうだろう、の意で、「なん」は強い推量を表す。泡の縁で「消え」と結んでいる。
おもひきゆ:思いが消える。気がめいる
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
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忘れなむと思ふ心のつくからに 言の葉さへや言へばゆゆしき
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人心いさやしら浪高ければ 寄らむ渚ぞかねて悲しき