- 歌の意味
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人の心はさあどうだかわからない。白波が高いので、身を寄せようとする渚のことが、今から悲しく思われる。
- 鑑賞
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巻第十六 雑歌二 1154
詞書「世の中をとかく思ひわづらひ侍りけるほどに、女友達なる人、なほ我が言はむ事につきねと語らひ侍りければ」
人の心はどうだかわからない、白波が高いので、身を寄せる渚のことが今から悲しい、と詠んだ歌である。身の振り方を勧める友の言葉に対し、頼る相手の心がわからない不安を、白波の高い渚に寄る舟になぞらえている。
詞書によれば、世の中のことをあれこれ思い悩んでいたころ、女友達が、やはり私の言うことに従いなさいと勧めたので詠んだ歌である。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「人心」は、人の心は、の意で、頼ろうとする相手の心をいう。
二句「いさやしら浪」は、さあどうだか知らない、白波、の意で、「しら」に「知ら」と「白」を掛けている。
三句「高ければ」は、高いので、の意で、白波が高いことに、相手の心の測りがたさを重ねている。
四句「寄らむ渚ぞ」は、身を寄せようとする渚が、の意で、「ぞ」は強意の係助詞で、結句の連体形「悲しき」で結ぶ係り結びとなっている。
結句「かねて悲しき」は、前もって悲しい、の意で、四句の「ぞ」を受けて結んでいる。
しら:知らない意の「知ら」と、「白」を掛ける
なぎさ:波打ち際
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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隠れゐて我が憂きさまを水の上の 泡ともはやく思ひ消えなん
- 次の歌
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直き木に曲がれる枝もあるものを 毛を吹き疵を言ふがわりなさ