思ふこと成すこそ神の難からめ
しばし忘るる心つけなん
- 歌の意味
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恋の願いをかなえることこそ、神にとっても難しいことなのだろうが、せめてしばらくでも恋を忘れる心を授けてほしい。
- 鑑賞
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巻第十五 恋歌五 997
詞書は前の歌に続き「題しらず」
恋の願いをかなえることこそ神にも難しいのだろうが、せめてしばらく恋を忘れる心を授けてほしい、と詠む歌である。恋の成就はあきらめつつも、せめて苦しみから一時でも解き放たれたいと神に祈る、切実な願いが詠まれている。
初句「思ふこと」は、思い願うこと、恋の願い、の意である。
二句「成すこそ神の」は、かなえることこそ神にとって、の意で、係助詞「こそ」が三句と係り結びをなしている。本巻の巻末の第九百九十九首の「筑摩の神」と、神を詠む点で呼応している。
三句「難からめ」は、難しいだろう、の意で、推量の助動詞「む」の已然形「め」で二句の「こそ」を受けて結び、下の句へ逆接で続いている。
四句「しばし忘るる」は、しばらくでも忘れる、の意である。本巻の第九百九十二首から続く「忘る」の歌を受けている。
結句「心つけなん」は、心を授けてほしい、の意で、「つけ」は、与える、授ける、の意、「なん」は他に対して望む意を表す終助詞である。
なす:成す。成就させる、かなえる
つく:付く。ここでは、与える、授ける
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
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あやしくも厭ふにはゆる心かな いかにしてかは思ひ絶ゆべき
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高砂に我がなく声はなりにけり 都の人は聞きやつくらん