逢はぬ間に恋しき道も知りにしを
などうれしきに迷ふ心ぞ
- 歌の意味
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会わずにいた間に、恋しく思う道もよく知ったのに、どうして、うれしい時には心が迷うのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十六 雑歌二 1161
詞書「友達の久しく逢はざりけるに、まかり逢ひてよみ侍りける」
会わない間に恋しく思う道はよく知ったのに、どうしてうれしさには心が迷うのか、と詠んだ歌である。久しく会わなかった友と再会し、恋しさには慣れていたが、会えたうれしさにはどうしてよいかわからず心が乱れると、喜びの大きさを表している。
詞書によれば、長く会わなかった友達に出かけていって会い、詠んだ歌である。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「逢はぬ間に」は、会わずにいた間に、の意である。
二句「恋しき道も」は、恋しく思う道も、の意で、恋しさを道にたとえ、四句の「迷ふ」の縁としている。
三句「知りにしを」は、すっかり知ってしまったのに、の意で、「を」は逆接を表す。
四句「などうれしきに」は、どうしてうれしい時に、の意で、「など」は疑問の副詞である。
結句「迷ふ心ぞ」は、迷う心なのか、の意で、「ぞ」は強めの終助詞である。道の縁で「迷ふ」と結んでいる。
まよふ:道に迷う。思い乱れる
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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ただちとも頼まざらなん身に近き 衣の関もありといふなり
- 次の歌
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いかなりしふしにか糸の乱れけん しひて繰れどもとけず見ゆるは