いかなりしふしにか糸の乱れけん
しひて繰れどもとけず見ゆるは
- 歌の意味
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どのような節目で糸は乱れたのだろうか。無理に繰ってみても、ほどけないように見えるのは。
- 鑑賞
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巻第十六 雑歌二 1162
詞書「題しらず」
どのような節目で糸は乱れたのか、無理に繰ってもほどけないように見えるのは、と詠んだ歌である。もつれた糸に、ある時をきっかけにこじれてしまった人の心をたとえ、いくら努めても相手の心がうちとけないことを嘆いている。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「いかなりし」は、どのようであった、の意である。
二句「ふしにか糸の」は、節目で糸が、の意で、「ふし」に糸の結び目である「節」と、事の折の意を掛けている。「か」は疑問の係助詞で、三句の連体形「けん」で結ぶ係り結びとなっている。
三句「乱れけん」は、乱れたのだろうか、の意で、二句の「か」を受けて結んでいる。ここで句切れとなる。
四句「しひて繰れども」は、無理に繰っても、の意で、糸を繰る縁の語である。
結句「とけず見ゆるは」は、ほどけないように見えるのは、の意で、「とけ」に糸がほどける意と、心がうちとける意を掛けている。三句と倒置になっている。
ふし:糸の結び目の意と、事の折の意を掛ける
とく:糸がほどける意と、心がうちとける意を掛ける
くる:糸を繰る
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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逢はぬ間に恋しき道も知りにしを などうれしきに迷ふ心ぞ
- 次の歌
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身なくとも人に知られじ世の中に 知られぬ山を知るよしもがな