ひとふしに恨みなはてそ笛竹の
声の内にも思ふ心あり
- 歌の意味
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一度のことで恨みきってしまわないでほしい。笛竹の音色の中にも、あなたを思う心はあるのだ。
- 鑑賞
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巻第十六 雑歌二 1185
詞書「返し」
一度のことで恨みきらないでほしい、笛竹の音色の中にも思う心はある、と詠んだ歌である。前歌の竹の節と一夜の掛詞を受け、逃げ帰ったのは一時のことで、笛の音にこめるように、あなたを思う心は変わらないと弁明している。
前歌に対する、笛を取り留められた友の返しである。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「ひとふしに」は、一つの事で、の意で、「ひとふし」に竹の「一節」と、一つの事柄の意を掛け、前歌の「ひとよ」に応じている。
二句「恨みなはてそ」は、恨みきってしまわないでほしい、の意で、「な〜そ」は禁止を表す。ここで句切れとなる。
三句「笛竹の」は、笛の、の意で、前歌の三句と同じ語である。
四句「声の内にも」は、音色の中にも、の意で、前歌の「声やたがはむ」に応じている。
結句「思ふ心あり」は、あなたを思う心がある、の意である。
ひとふし:竹の一節の意と、一つの事柄の意を掛ける
ふえたけ:笛にする竹。笛
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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帰りては声やたがはむ笛竹の つらきひとよのかたみと思へば
- 次の歌
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人につく便りだになし大荒木の 森の下なる草の身なれば