世の中の憂きもつらきも忍ぶれば
思ひ知らずと人や見るらん
- 歌の意味
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二人の仲のつらさも、あの人の薄情さも、じっとこらえているので、私が何も分かっていないと、あの人は見ているのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十五 恋歌五 933
詞書は前の歌に続き「題しらず」
二人の仲のつらさもあの人の薄情さも黙って耐えているので、何も分かっていないとあの人は思っているのだろうか、と詠む歌である。恨み言を言わずに耐える自分の心が、かえって鈍感と受け取られているのではないかという、やるせない思いが詠まれている。
初句「世の中の」は、男女の仲の、の意である。本巻の第九百三十首、第九百三十一首とともに「世の中」を詠んでいる。
二句「憂きもつらきも」は、つらいことも薄情なことも、の意で、「も」を重ねて二つを並べている。
三句「忍ぶれば」は、じっとこらえているので、の意である。
四句「思ひ知らずと」は、何も分かっていないと、の意で、「思ひ知る」は、身にしみて悟る、の意である。
結句「人や見るらん」は、あの人は見ているのだろうか、の意で、係助詞「や」を受けて、現在推量の助動詞「らん」の連体形で結んでいる。
よのなか:世の中。ここでは男女の仲
しのぶ:忍ぶ。じっとこらえる
おもひしる:思ひ知る。身にしみて悟る
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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偽りと思ふものから今さらに 誰がまことをか我は頼まむ
- 次の歌
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ひたぶるに死なば何かはさもあらばあれ 生きてかひなき物思ふ身は