言ふ事のたがはぬものにあらませば
後憂き事と聞こえざらまし
- 歌の意味
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口に出した約束がたがわないものであったならば、後になってつらいことになったなどと、人に聞こえることもなかっただろうに。
- 鑑賞
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巻第十七 雑歌三 1207
詞書「言ひ契りてのち、異人につきぬと聞きて」
言葉にした約束がたがわないものであったなら、後でつらいことになったと聞こえることもなかったろう、と詠んだ歌である。契りを交わした相手がほかの人のもとへ行ったと聞き、約束の空しさを恨んでいる。
詞書によれば、言葉を交わして契った後、相手が別の人になびいたと聞いて詠んだ歌である。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「言ふ事の」は、口に出して言ったことが、の意で、交わした約束をいう。
二句「たがはぬものに」は、違わないもので、の意である。
三句「あらませば」は、あったならば、の意で、「ませば」は事実に反する仮定を表し、結句の「まし」と呼応する反実仮想となっている。
四句「後憂き事と」は、後になってつらいことになったと、の意である。
結句「聞こえざらまし」は、人に聞こえることもなかっただろうに、の意で、三句の「ませば」を受けている。
いひちぎる:言葉を交わして約束する
ことびと:ほかの人
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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