宮の滝むべも名に負ひて聞こえけり
落つる白泡の玉と響けば
- 歌の意味
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宮の滝は、なるほどその名にふさわしく評判が高いのだった。落ちる白い泡が、玉のように響くのだから。
- 鑑賞
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巻第十七 雑歌三 1237
詞書「法皇吉野の滝御覧じける御供にて」
宮の滝はなるほど名にふさわしく評判が高い、落ちる白泡が玉のように響くのだから、と詠んだ歌である。「宮」の名にふさわしく、落ちる水の泡が玉のように響くと、宮殿を飾る玉を思わせる滝の美しさをたたえている。
前歌と同じく、宇多法皇が吉野の滝を御覧になった折の歌で、こちらは法皇自身の御製である。
作者の「法皇御製」は宇多天皇である。光孝天皇の皇子で、譲位ののち出家して法皇となった。古今和歌集の成立にも関わる和歌の興隆を支えた。
初句「宮の滝」は、吉野の宮滝のことで、吉野川の激流の地である。
二句「むべも名に負ひて」は、なるほど名にふさわしく、の意で、字余りとなっている。
三句「聞こえけり」は、評判が高いのだった、の意で、「けり」は気づきを表す。ここで句切れとなる。
四句「落つる白泡の」は、落ちる白い泡が、の意で、字余りとなっている。前歌の結句「崩れ落つる雪」と同じく、滝の落ちる水を白いものに見立てている。
結句「玉と響けば」は、玉のように響くので、の意で、「宮」の縁で玉を詠み、理由を倒置して述べている。
みやのたき:大和の国吉野の宮滝
おふ:名を持つ、名にふさわしい
しらあわ:白い泡
- 作者
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宇多天皇
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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いつの間に降り積もるらん み吉野の山の峡より崩れ落つる雪
- 次の歌
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今さらに我は帰らじ滝見つつ 呼べど聞かずと問はば答へよ