草枕紅葉むしろに代へたらば
心をくだくものならましや
- 歌の意味
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旅寝の草枕を、紅葉の敷物に取り替えたならば、旅がこれほど心を砕くものであろうか、いやそうではあるまい。
- 鑑賞
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巻第十九 離別歌 1364
詞書「題しらず」
草枕を紅葉の筵に代えたならば、心を砕くものであろうか、と詠んだ歌である。つらい旅寝の草枕も、美しい紅葉を敷物にするなら、心を悩ますものではなくなるだろうと、紅葉の美しさを旅の慰めとして詠んでいる。
作者の「亭子院」は宇多天皇である。光孝天皇の皇子で、醍醐天皇に譲位したのち出家して法皇となった。亭子院を御所としたことから亭子院の帝とも呼ばれた。
初句「草枕」は、草を結んで作る旅寝の枕で、つらい旅寝を表す。
二句「紅葉むしろに」は、紅葉の敷物に、の意で、散り敷いた紅葉を筵に見立てている。
三句「代へたらば」は、取り替えたならば、の意で、「ば」は仮定を表す。
四句「心をくだく」は、心を悩ます、の意である。
結句「ものならましや」は、ものであろうか、いやそうではあるまい、の意で、三句の「たらば」と呼応して反実仮想を表し、「や」は反語を表す。
むしろ:藁や藺などで編んだ敷物、筵
こころをくだく:あれこれと心を悩ます
- 作者
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宇多天皇
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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照る月の流るる見れば天の川 出づる港は海にぞありける
- 次の歌
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思ふ人ありて帰ればいつしかの 妻待つ宵の声ぞ悲しき