ありと聞く音羽の山の郭公
何か隠るらん鳴く声はして
- 歌の意味
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いると聞いている音羽山のほととぎすよ、どうして隠れているのだろう。鳴く声は聞こえているのに。
- 鑑賞
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巻第十八 雑歌四 1261
詞書「常に来とてうるさがりて隠れければ、つかはしける」
いると聞く音羽山のほととぎすが、鳴く声はするのに、なぜ隠れるのか、と詠んだ歌である。いつも訪ねて来るのを煩わしがって隠れた人を、声は聞こえるのに姿を見せない山のほととぎすにたとえ、軽く恨んでいる。
詞書によれば、いつも来るといって煩わしがって隠れてしまったので、送った歌である。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「ありと聞く」は、いると聞いている、の意である。
二句「音羽の山の」は、山城の国の音羽山の、の意で、名の「音」が初句の「聞く」、結句の「声」と響き合っている。
三句「郭公」は、姿を見せずに声を聞かせる鳥として詠まれ、隠れた人をたとえている。
四句「何か隠るらん」は、どうして隠れているのだろう、の意で、「か」は疑問の係助詞で、連体形「らん」で結ぶ係り結びとなっている。ここで句切れとなる。
結句「鳴く声はして」は、鳴く声は聞こえているのに、の意で、四句と倒置になっている。
おとはやま:山城の国の山、歌枕
ほととぎす:初夏に鳴く鳥、姿より声を愛でられる
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
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数ならぬ身のみもの憂く思ほえて 待たるるまでもなりにけるかな
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あしのうらのいときたなくも見ゆるかな 波は寄りても洗はざりけり