移ろはぬ名に流れたる川竹の
いづれの世にかあきを知るべき
- 歌の意味
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色の変わらないことで名の知られた川竹が、いったいいつの世に秋を知り、あなたに飽きることがあろうか。
- 鑑賞
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巻第十八 雑歌四 1272
詞書「女友だちの、常に言ひ交はしけるを、久しく訪れざりければ、十月ばかりに、あだ人の思ふと言ひし言の葉といふ古言を言ひ交はしたりければ、竹の葉に書きつけてつかはしける」
移ろわないことで名の通った川竹が、いつの世に秋を知ることがあろうか、と詠んだ歌である。色の変わらない竹に変わらぬ心を託し、「秋」に「飽き」を掛けて、自分があなたに飽きることなどないと伝えている。
詞書によれば、いつも便りを交わしていた女友だちと久しく音信が絶えていたので、十月ごろ、「あだ人の思ふと言ひし言の葉」という古歌を言い交わしたところ、竹の葉に書きつけて送った歌である。次歌も「言ひし言の葉は」の句を持ち、秋風に散る言葉を詠んでいる。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「移ろはぬ」は、色の変わらない、の意である。
二句「名に流れたる」は、名の通った、の意で、「流れ」は三句の「川」の縁語である。
三句「川竹の」は、川辺に生える竹の、の意で、色の変わらないものとされ、詞書の竹の葉に応じている。
四句「いづれの世にか」は、どの世に、の意で、「か」は反語の係助詞である。「世」に竹の節の「よ」を響かせている。
結句「あきを知るべき」の「あき」は、「秋」と「飽き」を掛けた掛詞で、秋を知り、飽きることがあろうか、いやない、の意である。四句の「か」を受けて連体形「べき」で結ぶ係り結びとなっている。
かはたけ:川辺に生える竹
あき:「秋」の意と、「飽き」を掛ける
ふること:古い歌、古歌
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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あはれてふ言にしるしはなけれども 言はではえこそあらぬものなれ
- 次の歌
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深き思ひそめつと言ひし言の葉は いつかあき風吹きて散りぬる