夕暮れの寂しきものは朝顔の
花を頼める宿にぞありける
- 歌の意味
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夕暮れに寂しいものは、朝のうちにしぼむ朝顔の花をあてにして暮らす家であったのだ。
- 鑑賞
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巻第十八 雑歌四 1288
詞書「一人侍りけるころ、人のもとよりいかにぞと訪らひて侍りければ、朝顔の花につけてつかはしける」
夕暮れに寂しいのは、朝顔の花を頼みにしている家であった、と詠んだ歌である。朝のうちにしぼむ朝顔にはかない頼みを託して独り暮らす身を重ね、夕暮れの寂しさを訴えている。
詞書によれば、独りで暮らしていたころ、ある人からどうしているかと見舞いの便りがあったので、朝顔の花につけて送った歌である。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「夕暮れの」は、夕暮れに、の意である。
二句「寂しきものは」は、寂しいものは、の意である。
三句「朝顔の」は、朝咲いて昼までにしぼむ花で、はかないもののたとえである。初句の「夕暮れ」と時の対比をなしている。
四句「花を頼める」は、花を頼みにしている、の意で、はかない頼みを表している。
結句「宿にぞありける」は、家であったのだ、の意で、「ぞ」を受けて連体形「ける」で結ぶ係り結びとなっている。本巻の第千二百六十四首の結句「ほどにぞありける」と同じ形の結びである。
とぶらふ:見舞う、安否を尋ねる
あさがほ:朝咲いて昼までにしぼむ花
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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鈴虫に劣らぬ音こそなかれけれ 昔の秋を思ひやりつつ
- 次の歌
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柞山峰の嵐の風をいたみ ふることの葉をかきぞ集むる