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たとへ来る露と等しき身にしあらば
我が思ひにも消えんとやする

歌の意味
昔からはかないものにたとえられてきた露と同じ身であるならば、私の燃える思いの火にあたって、消えてしまおうとするのだろうか。
鑑賞
巻第十八 雑歌四 1294

詞書「題しらず」
 たとえられてきた露と等しい身ならば、私の思いの火にも消えようとするのか、と詠んだ歌である。「思ひ」の「ひ」に「火」を響かせ、はかない露のような身であれば、燃える恋の思いに触れて消えてしまうのかと詠んでいる。
 作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。原文の作者表記は「よみ人も」とあるが、ここでは「よみ人しらず」として扱う。

 初句「たとへ来る」は、昔からたとえられてきた、の意である。
 二句「露と等しき」は、露と同じ、の意である。本巻の第千二百六十三首も白露をはかなさのたとえとしている。
 三句「身にしあらば」は、身であるならば、の意で、「し」は強意の副助詞、「ば」は仮定を表す。
 四句「我が思ひにも」は、私の思いにも、の意で、「思ひ」の「ひ」に「火」を響かせている。
 結句「消えんとやする」は、消えようとするのか、の意で、「や」は疑問の係助詞で、連体形「する」で結ぶ係り結びとなっている。「露」と「消ゆ」は縁語である。

たとふ:他のものになぞらえる
作者
よみ人しらず
出典
後撰和歌集
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