舟なくは天の川まで求めてむ
漕ぎつつ潮の中に消えずは
- 歌の意味
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舟がなくても、天の川までもあなたを探し求めよう。漕ぎ進みながら、潮の中に消えてしまわないかぎりは。
- 鑑賞
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巻第十九 離別歌 1346
詞書「返し」
舟がなくても天の川まで探し求めよう、漕ぎながら潮の中に消えないかぎりは、と詠んだ歌である。前歌の「舟見えずとも」「波に求めよ」を受け、舟が見えないどころか、天の川までも探して行こうと、相手の思いに応じている。
前歌の伊勢の歌に対する返しである。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「舟なくは」は、舟がなくても、の意で、前歌の結句「舟見えずとも」を受けている。
二句「天の川まで」は、天の川までも、の意で、海のはての空まで探す意を表している。
三句「求めてむ」は、きっと探し求めよう、の意で、「てむ」は強い意志を表す。前歌の四句「求めよ」を受けている。ここで句切れとなる。
四句「漕ぎつつ潮の」は、漕ぎ進みながら潮の、の意で、前歌の「こがる」を受けている。
結句「中に消えずは」は、中に消えてしまわないかぎりは、の意で、「ずは」は打消の仮定を表す。三句と倒置になっている。
あまのかは:天の川
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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後れずぞ心に乗りてこがるべき 波に求めよ舟見えずとも
- 次の歌
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かねてより涙ぞ袖をうち濡らす 浮かべる舟に乗らむと思へば