忘れじと言に結びて別るれば
逢ひ見むまでは思ひ乱るな
- 歌の意味
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忘れまいと言葉で固く約束を結んで別れるのだから、再び会う時までは、思い乱れないでほしい。
- 鑑賞
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巻第十九 離別歌 1349
詞書「遠き所にまかるとて、女のもとにつかはしける」
忘れまいと言葉に結んで別れるのだから、また会うまでは思い乱れるな、と詠んだ歌である。遠い地へ旅立つにあたり、女に忘れないと誓いを結んで別れるのだから、再会の時まで心を乱さずに待っていてほしいと慰めている。
詞書によれば、遠い所へ下るときに、女のもとに送った歌である。
作者の紀貫之は、原文に「貫之」とあり、紀望行の子で、古今和歌集の撰者の中心となり、仮名序を書いた。土佐日記の作者としても知られ、小倉百人一首には「人はいさ心も知らずふるさとは」の歌が採られている。
初句「忘れじと」は、忘れまいと、の意で、「じ」は打消の意志を表す。
二句「言に結びて」は、言葉で約束を結んで、の意である。
三句「別るれば」は、別れるのだから、の意で、「ば」は原因、理由を表す。
四句「逢ひ見むまでは」は、再び会う時までは、の意である。
結句「思ひ乱るな」は、思い乱れるな、の意で、「な」は禁止を表す。「結ぶ」と「乱る」は糸や紐の縁語である。
むすぶ:約束を固く結ぶ
おもひみだる:あれこれ思い悩んで心が乱れる
- 作者
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紀貫之
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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おさへつつ我は袖にぞせきとむる 舟越す潮になさじと思へば
- 次の歌
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初瀬川渡る瀬さへや濁るらん 世にすみがたき我が身と思へば