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都まで音にふりくる白山は
ゆきつきがたき所なりけり

歌の意味
都まで評判が聞こえてくる白山は、雪が降り積もって、なかなか行き着くことのできない所であったのだ。
鑑賞
巻第十九 離別歌 1353

詞書「白山へ詣でけるに、道中より便りの人につけてつかはしける」
 都まで評判が聞こえる白山は、行き着きがたい所であった、と詠んだ歌である。名高い白山へ参詣する途中、「行き」に「雪」を掛け、雪の深い山へなかなか行き着けない道の険しさを、都の人に書き送っている。
 詞書によれば、白山へ参詣した時、その道中から、都へ行く便りの人に託して送った歌である。
 作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。

 初句「都まで」は、都にまで、の意である。
 二句「音にふりくる」は、評判として聞こえてくる、の意で、「ふり」に雪の「降る」を響かせ、三句の「白山」、四句の「ゆき」と縁をなしている。
 三句「白山は」は、加賀の国の白山は、の意で、雪の白さを名に持つ山である。
 四句「ゆきつきがたき」の「ゆき」は、「行き」と「雪」を掛けた掛詞で、行き着くことが難しい意と、雪の深い意を重ねている。
 結句「所なりけり」は、所であったのだ、の意で、「けり」は気づきを表す。

しらやま:加賀の国の山、雪の山として詠まれる
ゆき:「行き」の意と、「雪」を掛ける
たより:手紙を託す人、便り
作者
よみ人しらず
出典
後撰和歌集
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