昨日まで千代と契りし君を我が
死出の山路に尋ぬべきかな
- 歌の意味
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昨日まで千年も共にと約束していたあなたを、私は死出の山路に訪ね求めなければならないのか。
- 鑑賞
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巻第二十 慶賀歌 1405
詞書「女四の親王の隠れ侍りにける時」
昨日まで千代を契ったあなたを、私は死出の山路に尋ねなければならないのか、と詠んだ歌である。千年も共にと約束した妻を突然失い、これからはあの世への山路に妻を探し求めるほかないと、深い喪失の悲しみを詠んでいる。
詞書によれば、女四の宮が亡くなった時に詠んだ歌である。女四の宮は、醍醐天皇の皇女で作者の妻となった勤子内親王を指すとみられる。本巻の第千三百七十三首などの慶賀の歌で祝われた「千代」が、ここでは果たされなかった約束として詠まれている。
作者の「右大臣」は藤原師輔である。藤原忠平の次男で、右大臣に至り、九条殿と呼ばれた。娘の安子は村上天皇の中宮となった。
初句「昨日まで」は、つい昨日まで、の意である。
二句「千代と契りし」は、千年も共にと約束した、の意である。
三句「君を我が」は、あなたを私は、の意である。
四句「死出の山路に」は、死者が越えて行くという冥途の山の道に、の意である。
結句「尋ぬべきかな」は、尋ね求めなければならないのか、の意で、「かな」は詠嘆を表す。
してのやま:死者が越えて行くという冥途の山
ちぎる:約束する
かくる:亡くなる
- 作者
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藤原師輔
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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墨染の濃きも薄きも見る時は 重ねてものぞ悲しかりける
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あらたまの年越えくらし常もなき 初鶯の音にぞなかるる