桜花今宵かざしに挿しながら
かくて千年の春をこそ経め
- 歌の意味
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桜の花を今宵かざしとして挿したままで、このようにして千年の春を過ごしたいものだ。
- 鑑賞
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巻第五 賀歌 286
詞書「天徳三年内裏に花宴せさせ給ひけるに」
花の宴の夜、桜の花をかざしに挿したまま、このようにして千年の春を過ごしたいと詠む歌である。宴の喜びがいつまでも続くことを願い、御代の長久を言祝いでいる。詞書によれば、天徳三年(959)に村上天皇が内裏で花の宴を催した時の歌である。
作者の「九条右大臣」は藤原師輔である。藤原忠平の子で、右大臣に至った。娘の安子は村上天皇の中宮となり、その子孫は摂関家として栄えた。
初句「桜花」は、桜の花、の意である。
二句「今宵かざしに」は、今夜のかざしとして、の意である。
三句「挿しながら」は、挿したままで、の意である。本巻の第二百八十四首の三句と同じ「さしながら」の音であるが、意は異なっている。
四句「かくて千年の」は、このようにして千年の、の意である。次歌の第二百八十七首も「千年の春」を詠んでいる。
結句「春をこそ経め」は、春を過ごしたいものだ、の意で、「め」は意志や願望を表す助動詞「む」の已然形であり、係助詞「こそ」を受けて結ぶ。
かざし:髪や冠に挿す花や枝
ふ:時を過ごす。経る
- 作者
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藤原師輔
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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春の野の若菜ならねど君がため 年の数をもつまんとぞ思ふ
- 次の歌
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かつ見つつ千年の春を過ぐすとも いつかは花の色に飽くべき