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かつ見つつ千年の春を過ぐすとも
いつかは花の色に飽くべき

歌の意味
花を見続けながら千年の春を過ごしたとしても、いったいいつ花の色に飽きることがあろうか、飽きることはない。
鑑賞
巻第五 賀歌 287

詞書「題しらず」
 花を見ながら千年の春を過ごしたとしても、花の色に飽きることなどないと詠む歌である。花を愛でる尽きない心と千年の長寿とを重ね、祝いの心を表している。

 初句「かつ見つつ」は、一方では見続けながら、の意で、「つつ」は継続を表す。
 二句「千年の春を」は、千年の春を、の意で、前歌の四句と結句の「千年の春をこそ経め」を受けている。
 三句「過ぐすとも」は、過ごしたとしても、の意で、「とも」は逆接の仮定を表す。
 四句「いつかは花の」は、いつ花の、の意で、「か」は反語の係助詞である。
 結句「色に飽くべき」は、色に飽きることがあろうか、の意で、係助詞「か」を受けて連体形「べき」で結ぶ反語である。本巻の第二百七十九首の「千年見るとも飽かじ」と同じく、千年見ても飽きない花を詠んでいる。

すぐす:時を過ごす
作者
よみ人しらず
出典
拾遺和歌集
前の歌
桜花今宵かざしに挿しながら かくて千年の春をこそ経め
次の歌
三千年になるてふ桃の今年より 花咲く春に逢ひにけるかな