三千年になるてふ桃の今年より
花咲く春に逢ひにけるかな
- 歌の意味
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三千年に一度実がなるという桃が、今年から花の咲く春にめぐり逢ったことよ。
- 鑑賞
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巻第五 賀歌 288
詞書「亭子院歌合に」
三千年に一度実を結ぶという仙界の桃が、今年から花を咲かせる春にめぐり逢ったと詠む歌である。この上なくめでたい長寿の始まりを、桃の花の春によって言祝いでいる。詞書によれば、宇多法皇の御所である亭子院で延喜十三年(913)に催された歌合に出された歌である。
作者の「みつね」は凡河内躬恒である。古今和歌集の撰者の一人で、三十六歌仙に数えられる。
西王母が漢の武帝に、三千年に一度実を結ぶ桃を献じたという故事を踏まえている。
初句「三千年に」は、三千年に一度、の意である。
二句「なるてふ桃の」は、実がなるという桃の、の意で、「てふ」は「といふ」がつまった形である。
三句「今年より」は、今年から、の意である。
四句「花咲く春に」は、花の咲く春に、の意である。
結句「逢ひにけるかな」は、めぐり逢ったことよ、の意で、「に」は完了、「ける」は過去の助動詞「けり」の連体形、「かな」は詠嘆である。前の二首の「千年の春」を、ここではさらに長い三千年へと広げている。
みちとせ:三千年
ていじのゐん:宇多法皇の御所。亭子院
- 作者
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凡河内躬恒
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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かつ見つつ千年の春を過ぐすとも いつかは花の色に飽くべき
- 次の歌
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めづらしき千代の始めの子の日には まつ今日をこそ引くべかりけれ