袖乾く時なかりつる我が身には
降るを雨とも思はざりけり
- 歌の意味
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涙で袖が乾く時もなかった我が身には、降るものを雨だとも思わなかった。
- 鑑賞
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巻第二十 慶賀歌 1414
詞書「亡くなりて侍りける人の忌に籠もりて侍りけるに、雨の降る日、人の問ひて侍りければ」
袖の乾く時もなかった我が身には、降るものを雨とも思わなかった、と詠んだ歌である。喪に籠もり涙に濡れ続けていたので、雨が降っていても涙と区別がつかず、雨とも気づかなかったと、悲しみの深さを詠んでいる。
詞書によれば、亡くなった人の忌に籠もっていた時、雨の降る日に、ある人が見舞ってくれたので詠んだ歌である。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「袖乾く」は、袖が乾く、の意である。
二句「時なかりつる」は、時もなかった、の意である。
三句「我が身には」は、我が身には、の意である。
四句「降るを雨とも」は、降るものを雨とも、の意で、詞書の雨を受けている。
結句「思はざりけり」は、思わなかったことだ、の意で、「けり」は気づきを表す。本巻の第千四百二十三首も、涙と雨とを重ねて詠んでいる。
いみ:人の死後、一定の期間家に籠もって身を慎むこと
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
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過ぎにける人を秋しも問ふからに 袖は紅葉の色にこそなれ
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ふるさとに君はいづらと待ち問はば いづれの空の霞と言はまし