春来ればまづぞうち見る石上
めづらしげなき山田なれども
- 歌の意味
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春が来ると真っ先に目をやることだ。古びて珍しくもない山の田であるけれども。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 45
詞書「天暦御時御屏風」
見慣れて珍しくもない山の田であるが、春が来るとまず真っ先に目をやってしまうと詠む。田仕事の始まる春の田に、農の営みの始まりを見る歌である。詞書によれば、村上天皇の天暦の御代の御屏風に添えた歌である。
作者の「たた見」は壬生忠見である。壬生忠岑の子で、三十六歌仙の一人に数えられる。
初句「春来れば」は、次歌と同じ初句で、春の山田を詠む二首が並ぶ。
二句「まづぞうち見る」は、「ぞ」の係り結びで連体形「見る」で結び、二句切れである。
三句「石上」は、本来「古る」にかかる枕詞で、ここでは古いことから「めづらしげなき」を導く。
四句「めづらしげなき」は、珍しくもない意である。
結句「山田なれども」は、山あいの田の意で、「ども」の逆接で止めて余情を残す倒置となる。
いそのかみ:大和国の地名。「古る」「降る」にかかる枕詞としても用いる
やまだ:山あいにある田
- 作者
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壬生忠見
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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咲きそめて幾世経ぬらん桜花 色をば人に飽かず見せつつ
- 次の歌
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春来れば山田の氷うち解けて 人の心にまかすべらなり