訪ふ人もあらじと思ひし山里に
花のたよりに人目見るかな
- 歌の意味
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訪ねてくる人もいないだろうと思っていた山里で、花をきっかけとして人の姿を見ることだ。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 51
詞書「題しらず」
誰も訪ねてこないだろうと思っていた山里に、桜の花が咲いたことで人が訪れるようになったと喜ぶ歌である。花が人を呼び寄せる力への感慨が込められている。
作者の「もとすけ」は清原元輔である。清原深養父の孫で、清少納言の父である。梨壺の五人の一人として後撰和歌集の撰進に関わり、三十六歌仙の一人に数えられる。
初句「訪ふ人も」は、訪れる人を示す。
二句「あらじと思ひし」は、「じ」が打消推量で、いないだろうと思っていた、の意である。
三句「山里に」は、人里離れた住まいを示す。
四句「花のたよりに」は、花をきっかけとして、の意で、本巻の第十三首の「花のたよりに」と同じ句である。第十三首では雪が花のついでに折られるのに対し、本歌では人が花をきっかけに訪れる。
結句「人目見るかな」は、人の姿を見ることだの意で、「かな」は詠嘆である。
とふ:訪れる。訪問する
たより:よりどころ。きっかけ
ひとめ:人の目。人の訪れ
- 作者
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清原元輔
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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桜狩り雨は降り来ぬ同じくは 濡るとも花の陰に隠れむ
- 次の歌
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花の木を植ゑしもしるく春来れば わが宿過ぎて行く人ぞなき