我が宿の垣根や春を隔つらん
夏来にけりと見ゆる卯の花
- 歌の意味
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我が家の垣根が春を隔てているのだろうか。垣根に咲く卯の花を見ると、もう夏が来たのだと見えることだ。
- 鑑賞
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巻第二 夏歌 80
詞書「屏風に」
垣根に卯の花が咲いたのを見て、この垣根が春と夏とを隔てているのだろうかと興じた歌である。垣根の内と外を分けるものという役目を、季節の境目に見立てた機知に趣がある。詞書によれば、屏風絵に添えて詠まれた歌である。
作者の「したかふ」は源順である。嵯峨源氏の出で、平安時代中期の学者、歌人である。梨壺の五人の一人として後撰和歌集の撰進に関わり、和名類聚抄を編んだ。三十六歌仙に数えられる。
初句「我が宿の」は、自分の家の、の意である。本巻では卯の花と垣根の取り合わせが第八十九首、第九十首、第九十三首、第九十四首へと続き、本歌はその初出となる。
二句「垣根や春を」は、「や」が疑問の係助詞で、三句の「らん」で結ぶ係り結びとなる。垣根が隔てるものとして春を挙げる。
三句「隔つらん」は、隔てているのだろうか、の意で、「らん」は現在推量の助動詞である。ここで句切れとなる。
四句「夏来にけりと」は、夏が来たのだなあ、の意で、「けり」は気づきの詠嘆を表す。
結句「見ゆる卯の花」は体言止めで、夏の到来を告げる卯の花で一首を結ぶ。前歌が衣替えで夏を示したのに対し、本歌は花によって夏の訪れを示している。
うのはな:ウツギの花。初夏に白い花を咲かせ、垣根に植えられることが多い
- 作者
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源順
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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鳴く声はまだ聞かねども蝉の羽の 薄き衣は裁ちぞ着てける
- 次の歌
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花の色に染めしたもとの惜しければ 衣替へ憂き今日にもあるかな