秋は来ぬ竜田の山も見てしかな
時雨れぬ先に色や変はると
- 歌の意味
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秋が来た。竜田の山も見てみたいものだ。時雨が降らないうちに、もう色が変わっているかと思って。
- 鑑賞
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巻第三 秋歌 138
詞書「題しらず」
秋が来たので、時雨が降って紅葉するより前に、竜田山がもう色づき始めていないか見に行きたいと願う歌である。紅葉の名所である竜田山への期待を、秋の訪れとともに早くも抱く心を表している。
初句「秋は来ぬ」は、秋が来た、の意で、「ぬ」は完了の助動詞である。ここで句切れとなる。本巻の第百四十首の結句「秋は来にけり」と呼応し、秋の到来を告げる歌が巻頭近くに並ぶ。
二句「竜田の山も」は、大和国の紅葉の名所である竜田山をいう。
三句「見てしかな」は、見たいものだ、の意で、「てしかな」は願望を表す。ここで句切れとなる。
四句「時雨れぬ先に」は、時雨が降らないうちに、の意である。時雨は木の葉を色づかせるものとされた。
結句「色や変はると」は、色が変わっているかと、の意で、「や」は疑問の係助詞である。倒置によって、見たい理由を後から示している。
しぐる:時雨が降る。秋の末から冬の初めに、降ったりやんだりする雨が降る
たつたのやま:大和国の竜田山。紅葉の名所として知られる歌枕
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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夏衣まだ一重なるうたた寝に 心して吹け秋の初風
- 次の歌
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荻の葉のそよぐ音とこそ秋風の 人に知らるる初めなりけれ