いたづらに過ぐる月日をたなばたの
逢ふ夜の数と思はましかば
- 歌の意味
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むなしく過ぎていく月日を、織女が彦星と逢う夜の数だと思うことができたならば、どんなによいだろう。
- 鑑賞
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巻第三 秋歌 151
詞書「左兵衛督藤原懐平家屏風に」
何事もなく過ぎていく月日を、織女が逢う夜の数として数えられたらよいのに、と詠む歌である。一年にただ一夜しか逢えない織女を思いやるとともに、空しく過ぎる自らの月日への嘆きをも重ねている。詞書によれば、左兵衛督であった藤原懐平の家の屏風に添えた歌である。
作者の「恵慶法師」は、平安時代中期の僧、歌人である。河原院に住んだ安法法師のもとに集まった歌人たちと交流した。中古三十六歌仙に数えられる。
初句「いたづらに」は、むなしく、の意である。
二句「過ぐる月日を」は、過ぎていく月日を、の意である。
三句「たなばたの」は、前歌の三句と同じ語で、織女の、の意である。
四句「逢ふ夜の数と」は、逢う夜の数として、の意である。前歌が一年に一夜を限りない秋に転じたのに対し、本歌は過ぎる月日のすべてを逢う夜の数に数えたいと願い、日々と一夜という尺度の違いで対をなしている。
結句「思はましかば」は、思うことができたならば、の意で、「ましかば」は反実仮想の条件を表す。その後に続く帰結を言いさして、余韻を残している。
つきひ:月日。歳月
- 作者
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恵慶
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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一年に一夜と思へどたなばたの 逢ひ見む秋の限りなきかな
- 次の歌
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いとどしく寝も寝ざるらんと思ふかな 今日の今宵に逢へるたなばた