いとどしく寝も寝ざるらんと思ふかな
今日の今宵に逢へるたなばた
- 歌の意味
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いっそう眠りもしないでいるのだろうと思うことだ。庚申にあたった今日の今夜に、彦星と逢っている織女は。
- 鑑賞
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巻第三 秋歌 152
詞書「七夕庚申にあたりて侍りける年」
七夕が庚申の夜にあたった年に、もとより眠る間も惜しい逢瀬の夜に、庚申の夜を寝ずに明かす習わしまで重なって、織女はいっそう眠らずにいるだろうと思いやる歌である。暦の上の偶然を機知的に詠み込んでいる。詞書によれば、七夕が庚申の日にあたった年の歌である。
作者の「もとすけ」は清原元輔である。清原深養父の孫で、梨壺の五人の一人として後撰和歌集の撰進と万葉集の訓読に携わった。清少納言の父で、三十六歌仙に数えられる。
初句「いとどしく」は、いっそう、ますます、の意で、もとより眠らない逢瀬の夜に庚申が重なることを示す。
二句「寝も寝ざるらんと」は、眠りもしないでいるのだろうと、の意で、「らん」は現在推量の助動詞である。字余りとなっている。
三句「思ふかな」は、思うことだ、の意で、ここで句切れとなる。下の句とは倒置の関係になる。
四句「今日の今宵に」は、庚申にあたった今日の今夜に、の意である。庚申の夜は眠らずに過ごす習わしがあった。
結句「逢へるたなばた」は、逢っている織女、の意で、体言止めとなる。倒置によって、思いやる相手を最後に示している。
い:眠ること。睡眠。「いも寝ず」の形で用いる
かうしん:庚申の夜。この夜は眠らずに過ごす習わしがあった
- 作者
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清原元輔
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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いたづらに過ぐる月日をたなばたの 逢ふ夜の数と思はましかば
- 次の歌
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逢ひ見ても逢はでも嘆くたなばたは いつか心ののどけかるべき