秋の月西にあるかと見えつるは
更けゆく夜はの影にぞありける
- 歌の意味
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秋の月がもう西の空にあるかと見えたのは、更けていく夜中の、水に映った月影であったのだ。
- 鑑賞
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巻第三 秋歌 173
詞書「廉義公の家の紙絵に、秋の月おもしろき池ある家ある所」
秋の月がもう西に傾いたかと見えたのは、更けてゆく夜の月影であったと気づく歌である。池のある家の絵に添えた歌であり、池に映る月影を空の月と見まがう趣を詠んだものと見られる。詞書によれば、廉義公すなわち藤原頼忠の家の紙絵に、秋の月が美しい、池のある家が描かれた場面に添えた歌である。
作者の「源景明」は、平安時代中期の官人、歌人である。伝の詳細は明らかでない。
初句「秋の月」は、前歌の初句と同じ語で、月の一連が続く。
二句「西にあるかと」は、西の方にあるかと、の意で、月が西に傾いたかと思ったことをいう。
三句「見えつるは」は、見えたのは、の意で、「つる」は完了の助動詞「つ」の連体形である。
四句「更けゆく夜はの」は、更けていく夜中の、の意である。
結句「影にぞありける」は、月の光の映った影であったのだ、の意で、「ぞ」の係り結びにより連体形の「ける」で結ぶ。前歌が波の底に出た月を詠んだのに続き、本歌も水に映る月影を空の月と見まがう趣向を詠んでいる。
よは:夜中。夜半
かみゑ:紙に描いた絵。紙絵
れんぎこう:藤原頼忠の諡号。廉義公
- 作者
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源景明
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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秋の月波の底にぞ出でにける 待つらん山のかひやなからん
- 次の歌
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飽かずのみおもほえむをばいかがせん かくこそは見め秋の夜の月