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都にて珍しと見る初雪は
吉野の山に降りやしぬらん

歌の意味
都で珍しいと思って見る初雪は、吉野の山にはもうとうに降っているのだろうか。
鑑賞
巻第四 冬歌 243

詞書「初雪をよめる」
 都で珍しいものとして見る初雪を前に、雪深い吉野の山ではもうとうに降っているのだろうと思いやる歌である。都と吉野との隔たりを、初雪の受け止め方の違いによって示している。詞書によれば、初雪を詠んだ歌である。
 作者の「源景明」は、平安時代中期の官人、歌人である。伝の詳細は明らかでない。

 初句「都にて」は、都で、の意である。ここから雪の歌が続いていく。
 二句「珍しと見る」は、珍しいと思って見る、の意である。
 三句「初雪は」は、その冬に初めて降る雪は、の意である。
 四句「吉野の山に」は、大和国の吉野山に、の意で、雪深い山として詠まれる。本巻の第二百四十七首、第二百五十首でも吉野の山が雪とともに詠まれている。
 結句「降りやしぬらん」は、もう降ってしまったのだろうか、の意で、係助詞「や」を受けて連体形「らん」で結ぶ。「ぬ」は完了の助動詞である。

はつゆき:その冬に初めて降る雪
作者
源景明
出典
拾遺和歌集
前の歌
天の原空さへ冴えや渡るらん 氷と見ゆる冬の夜の月
次の歌
降るほどもはかなく見ゆる淡雪の うらやましくもうちとくるかな