み吉野の雪にこもれる山人も
ふる道とめて音をや泣くらん
- 歌の意味
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吉野の雪に閉じこもっている山人も、雪の降る昔の道をたずね求めて、声をあげて泣いているだろうか。
- 鑑賞
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巻第十三 恋歌三 847
詞書「絶えて年ごろになりにける女の許にまかりて、雪の降り侍りければ」
吉野の雪に閉じこもる山人も、雪の降る昔の道をたずねて声をあげて泣いているだろうかと詠む歌である。詞書から、長年途絶えていた女のもとを、雪の降る日に訪ねた際に詠んだことがわかる。雪深い吉野の山人に自分をなぞらえ、昔通った道をたどって訪ねてきた心を詠んでいる。
作者の「源景明」は、平安時代中期の歌人で、勅撰和歌集に歌が収められている。
初句「み吉野の」は、吉野の、の意で、「み」は美称の接頭語である。吉野は雪深い山の歌枕である。
二句「雪にこもれる」は、雪に閉じこもっている、の意である。前歌の第八百四十六首の初雪を受け、雪を詠んでいる。
三句「山人も」は、山に住む人も、の意である。
四句「ふる道とめて」は、「ふる」が雪が「降る」と、昔の道の意の「古る」を掛ける掛詞である。「とめて」は、たずね求めて、の意で、詞書の昔の女のもとを訪ねたことを重ねている。
結句「音をや泣くらん」は、声をあげて泣いているだろうか、の意で、係助詞「や」を受けて現在推量の助動詞「らん」の連体形で結んでいる。
やまびと:山人。山に住む人
ふる:雪が「降る」意と、古くなる意の「古る」を掛ける
とむ:尋む。たずね求める
- 作者
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源景明
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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霜の上に降る初雪の朝氷 とけずも物を思ふころかな
- 次の歌
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頼めつつ来ぬ夜あまたになりぬれば 待たじと思ふぞ待つにまされる