降るほどもはかなく見ゆる淡雪の
うらやましくもうちとくるかな
- 歌の意味
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降っている間もはかなく見える淡雪が、うらやましいことに、たやすく解けてしまうことだ。
- 鑑賞
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巻第四 冬歌 244
詞書「女を語らひ侍りけるが、年ごろになり侍りにけれど、疎く侍りければ、雪の降り侍りけるに」
降るそばからはかなく消えていく淡雪がたやすく解けるのをうらやましいと詠み、なかなか心を許さない相手への恨みを込めた歌である。雪が解けることに、相手の心が打ち解けることを重ね、遠回しに思いを訴えている。詞書によれば、何年も言い寄っているのに打ち解けない女に、雪の降った日に贈った歌である。
作者の「もとすけ」は清原元輔である。清原深養父の孫で、梨壺の五人の一人として後撰和歌集の撰進と万葉集の訓読に携わった。清少納言の父で、三十六歌仙に数えられる。
初句「降るほども」は、降っている間も、の意である。
二句「はかなく見ゆる」は、はかなく見える、の意である。
三句「淡雪の」は、解けやすい柔らかな雪が、の意である。
四句「うらやましくも」は、うらやましいことに、の意である。本巻の第二百二十六首も同じ四句で鴛鴦をうらやんでおり、独り身の嘆きを共有している。
結句「うちとくるかな」は、雪が解ける意と、心が打ち解ける意とを掛け、「かな」は詠嘆である。
うちとく:雪が解ける意と、心が打ち解ける意とを掛ける
かたらふ:親しく言い寄る。男女が契りを結ぶ
- 作者
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清原元輔
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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都にて珍しと見る初雪は 吉野の山に降りやしぬらん
- 次の歌
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あしひきのやまゐに降れる白雪は 摺れる衣の心地こそすれ