あしひきのやまゐに降れる白雪は
摺れる衣の心地こそすれ
- 歌の意味
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山あいに降った白雪は、山藍で摺り染めにした衣のような感じがする。
- 鑑賞
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巻第四 冬歌 245
詞書「山間に雪の降りかかりて侍りけるを」
山あいにまだらに降り積もった白雪を、山藍で模様を摺り出した衣に見立てた歌である。地名ではなく「やまゐ」という語に山藍を響かせ、雪の残る山の景を、神事に用いる青摺りの衣の清らかさに重ねている。詞書によれば、山あいに雪が降りかかっているのを見て詠んだ歌である。
作者の「伊勢」は、平安時代前期から中期の女流歌人で、藤原継蔭の娘である。宇多天皇の中宮温子に仕え、中務の母となった。三十六歌仙に数えられる。
初句「あしひきの」は、「山」にかかる枕詞である。
二句「やまゐに降れる」は、山あいに降った、の意で、「やまゐ」に山の間の意と、染料にする山藍の意とを掛ける。
三句「白雪は」は、白雪は、の意である。
四句「摺れる衣の」は、摺り染めにした衣の、の意で、二句の山藍を受ける。
結句「心地こそすれ」は、ような感じがする、の意で、係助詞「こそ」を受けて已然形「すれ」で結ぶ。
やまゐ:山あいの意と、染料にする山藍の意とを掛ける
する:草木の汁などをこすりつけて布を染める。摺る
- 作者
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伊勢
- 出典
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拾遺和歌集
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降るほどもはかなく見ゆる淡雪の うらやましくもうちとくるかな
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夜ならば月とぞ見まし我が宿の 庭白妙に降れる白雪