神奈備の御室の山を今日見れば
下草かけて色づきにけり
- 歌の意味
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神奈備の三室の山を今日見ると、木々ばかりか下草にいたるまで色づいたことだ。
- 鑑賞
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巻第三 秋歌 188
詞書「三百六十首の中に」
神の宿る三室山を今日眺めると、木々ばかりか下草にまで色が及んで紅葉していると詠む歌である。山全体が秋の色に染まったさまを、下草という細部まで見とどけることで描いている。詞書によれば、作者が詠んだ三百六十首の歌の中の一首である。
作者の「曾禰好忠」は、平安時代中期の歌人である。丹後掾を務めたことから曾丹とも呼ばれ、清新な歌風で知られる。中古三十六歌仙に数えられる。
初句「神奈備の」は、神の降りて宿る所の、の意で、三室山にかかる。
二句「御室の山を」は、大和国の歌枕で、紅葉の名所である三室山をいう。
三句「今日見れば」は、今日見ると、の意である。
四句「下草かけて」は、下草にいたるまで、の意である。前歌の萩の下葉と同じく、下の方まで及ぶ色づきに目を向けている。
結句「色づきにけり」は、色づいたことだ、の意で、「けり」は気づきの詠嘆を表す。
かむなび:神が降りて宿る所。神奈備
みむろのやま:大和国の三室山。紅葉の名所として知られる歌枕
- 作者
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曾禰好忠
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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風寒み我が唐衣打つ時ぞ 萩の下葉も色まさりける
- 次の歌
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紅葉せぬ常磐の山は吹く風の 音にや秋を聞きわたるらん