秋風をそむくものから花すすき
行く方をなど招くなるらん
- 歌の意味
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秋風に背を向けているものの、花すすきは、どうして風の吹き去っていく方を招いているのだろうか。
- 鑑賞
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巻第三 秋歌 192
詞書「題しらず」
花すすきは秋風に背を向けてなびいているのに、その穂先がまるで風の去っていく方を手招きしているように見えるのはなぜかと興じる歌である。風になびく穂の動きを、背きながら招くという矛盾した振る舞いとしてとらえた機知の歌である。
初句「秋風を」は、吹きつける秋風を、の意である。
二句「そむくものから」は、背を向けているものの、の意で、「ものから」は逆接の接続助詞である。
三句「花すすき」は、穂の出たすすきをいう。本巻の第百五十六首に続き、花すすきの手招きが詠まれる。
四句「行く方をなど」は、去っていく方をどうして、の意である。
結句「招くなるらん」は、招いているのだろうか、の意で、「らん」は原因推量の助動詞である。第百五十六首と同じ結句で、同歌が女郎花を招くと詠んだのに対し、本歌は風の去る方を招くと詠んでいる。本巻の巻末近くの第二百十三首でも、去っていく秋を招く花すすきが詠まれる。
はなすすき:穂の出たすすき。花薄
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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秋風のうち吹くごとに高砂の 尾上の鹿の鳴かぬ日ぞなき
- 次の歌
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紅葉見に宿れる我と知らねばや 佐保の川霧立ち隠すらん