心もて散らんだにこそ惜しからめ
などか紅葉に風の吹くらん
- 歌の意味
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自分から散るのでさえ惜しいだろうに、どうして紅葉に風が吹くのだろうか。
- 鑑賞
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巻第三 秋歌 209
詞書「題しらず」
紅葉が自ら散るのでさえ惜しいのに、どうしてわざわざ風が吹いて散らすのかと恨む歌である。紅葉を惜しむ心を、風への恨みとして表している。
作者の「つらゆき」は紀貫之である。古今和歌集の撰者の中心人物で、仮名序を執筆し、土佐日記を著した。三十六歌仙に数えられる。
初句「心もて」は、自分の心から、自ら進んで、の意である。
二句「散らんだにこそ」は、散るのでさえ、の意で、「だに」は軽いものを挙げて重いものを類推させる副助詞、「こそ」は係助詞であり、三句の「め」で結ぶ係り結びとなる。
三句「惜しからめ」は、惜しいだろうに、の意で、「め」は推量の助動詞「む」の已然形である。ここで句切れとなり、「こそ〜め」の形で逆接の意を含んで下に続く。
四句「などか紅葉に」は、どうして紅葉に、の意で、「か」は疑問の係助詞であり、結句の「らん」で結ぶ係り結びとなる。
結句「風の吹くらん」は、風が吹くのだろうか、の意で、「らん」は原因推量の助動詞の連体形である。前歌が風に従って散る紅葉を詠んだのを受け、本歌はその風を恨んでいる。
こころもて:自分の心から。自分から進んで
- 作者
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紀貫之
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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秋の夜に雨と聞こえて降るものは 風にしたがふ紅葉なりけり
- 次の歌
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朝まだきあらしの山の寒ければ 紅葉の錦着ぬ人ぞなき