流れくる紅葉葉見れば唐錦
滝の糸もて織れるなりけり
- 歌の意味
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流れてくる紅葉の葉を見ると、それは滝の糸で織り上げた唐錦であったのだ。
- 鑑賞
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巻第四 冬歌 221
詞書「延喜の御時、女四の皇女の家の屏風に」
滝から流れてくる紅葉を、滝の白い筋を糸として織り上げた唐錦に見立てた歌である。白い滝と色とりどりの紅葉の取り合わせを、機織りの見立てで一つにまとめている。詞書によれば、醍醐天皇の延喜の御代に、女四の皇女の家の屏風に添えた歌で、この皇女は醍醐天皇の第四皇女である勤子内親王とされる。
作者の「つらゆき」は紀貫之である。古今和歌集の撰者の中心人物で、仮名序を執筆し、土佐日記を著した。三十六歌仙に数えられる。
初句「流れくる」は、流れてくる、の意である。
二句「紅葉葉見れば」は、紅葉の葉を見ると、の意である。
三句「唐錦」は、舶来の美しい錦で、紅葉の見立てである。前歌、本巻の第二百十六首に続いて紅葉を錦と見る趣向を重ねている。
四句「滝の糸もて」は、滝の糸で、の意で、流れ落ちる白い滝の筋を糸に見立てる。「もて」は「もちて」のつまった形である。
結句「織れるなりけり」は、織ったものであったのだ、の意である。「糸」「織る」は錦の縁語で、「けり」は気づきの詠嘆を表す。
たきのいと:流れ落ちる滝の筋を糸に見立てた語
ひめみこ:天皇の娘。皇女
- 作者
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紀貫之
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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唐錦枝にひとむら残れるは 秋の形見をたたぬなりけり
- 次の歌
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時雨ゆゑかづく袂をよそ人は 紅葉を払ふ袖かとや見ん