蘆の葉に隠れて住みし津の国の
こやもあらはに冬は来にけり
- 歌の意味
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蘆の葉に隠れるようにして住んでいた摂津の国の昆陽の小屋も、蘆が枯れてあらわになり、冬がやって来たことだ。
- 鑑賞
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巻第四 冬歌 223
詞書「百首歌の中に」
茂った蘆の葉に隠れていた摂津の国の昆陽の小屋が、蘆が枯れてあらわになったことで、冬の到来を知る歌である。目に見える景の変化によって季節の移りをとらえ、地名に小屋を掛けて、水辺の侘しい住まいを描き出している。詞書によれば、百首歌の中の一首である。
作者の「源重之」は、清和源氏の出で、平安時代中期の歌人である。源兼信の子で、伯父の源兼忠の養子となった。相模権守などを務め、晩年は陸奥に下ってその地で没した。冷泉天皇の東宮時代に百首歌を献じ、これは現存する最も早い百首歌の一つとされる。三十六歌仙に数えられる。
初句「蘆の葉に」は、蘆の葉に、の意で、蘆は摂津の難波あたりの水辺を代表する景物である。
二句「隠れて住みし」は、隠れるようにして住んでいた、の意で、「し」は過去の助動詞「き」の連体形である。
三句「津の国の」は、摂津国の、の意である。
四句「こやもあらはに」は、摂津国の地名の昆陽と小屋とを掛け、昆陽の小屋もむき出しになって、の意となる。蘆が枯れたことを言外に示している。
結句「冬は来にけり」は、冬がやって来たことだ、の意で、「に」は完了、「けり」は詠嘆の助動詞である。巻頭近くに置かれ、本巻の冬の到来を告げている。
こや:摂津国の地名の昆陽と、小屋とを掛ける
つのくに:摂津国の古称
- 作者
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源重之
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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時雨ゆゑかづく袂をよそ人は 紅葉を払ふ袖かとや見ん
- 次の歌
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思ひかね妹がり行けば冬の夜の 川風寒み千鳥鳴くなり