水鳥のしたやすからぬおもひには
あたりの水も凍らざりけり
- 歌の意味
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水鳥が水面の下で足を休めないように、心の内で安らかでない思いの火のために、あたりの水も凍らないのだった。
- 鑑賞
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巻第四 冬歌 227
詞書「題しらず」
水鳥が水面の下で絶えず足を動かして休まらないさまに、人知れず思い悩む心を重ね、その思いの火の熱さで周りの水さえ凍らないと詠む歌である。冬の水辺の景に託して、胸の内に燃える恋の思いを誇張して表している。
初句「水鳥の」は、水鳥の、の意で、二句の「した」を導く。前歌の鴛鴦を受け、水鳥の歌が続く。
二句「したやすからぬ」は、水面の下で足を休めない意と、心の内で安らかでない意とを掛ける。
三句「おもひには」は、思いの「ひ」に火を掛け、思いの火によっては、の意となる。
四句「あたりの水も」は、その周りの水も、の意である。
結句「凍らざりけり」は、凍らないのだった、の意で、「けり」は気づきの詠嘆を表す。「火」の縁で水が凍らないとする。本巻の第二百三十三首が冬の夜の氷を袖のものと詠むのと、凍らぬ水と凍る袖とで対をなしている。
した:水面の下の意と、心の内の意とを掛ける
おもひ:思いの「ひ」に火を掛ける
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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夜を寒み寝覚めて聞けば鴛鴦の うらやましくもみなるなるかな
- 次の歌
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夜を寒み寝覚めて聞けば鴛鴦ぞ鳴く 払ひもあへず霜や置くらん