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霜の上に降る初雪の朝氷
解けずも物を思ふころかな

歌の意味
霜の上に降った初雪が朝の氷となって解けないように、心も解けずにもの思いをしているこのごろであることだ。
鑑賞
巻第四 冬歌 229

詞書「定文が家の歌合に」
 霜の上に初雪が降って朝の氷となり解けないさまを序として、心が晴れずにもの思いにふける日々を詠む歌である。冬の朝の冷えきった景を、打ち解けない恋の心のありさまに重ねている。詞書によれば、平定文の家で催された歌合に出された歌である。

 初句「霜の上に」は、霜の上に、の意である。
 二句「降る初雪の」は、降る初雪が、の意である。
 三句「朝氷」は、朝に張った氷をいう。初句からここまでが序詞となり、四句の「解けず」を導く。
 四句「解けずも」は、氷が解けないさまに、心が晴れず打ち解けないさまを重ねている。
 結句「物を思ふころかな」は、もの思いをしているこのごろであることだ、の意で、「かな」は詠嘆の終助詞である。

ものおもふ:あれこれと思い悩む
うたあはせ:歌人を左右に分けて歌を詠み合わせ、優劣を競う催し
作者
よみ人しらず
出典
拾遺和歌集
前の歌
夜を寒み寝覚めて聞けば鴛鴦ぞ鳴く 払ひもあへず霜や置くらん
次の歌
霜置かぬ袖だに冴ゆる冬の夜に 鴨の上毛を思ひこそやれ