水の上に思ひしものを冬の夜の
氷は袖のものにぞありける
- 歌の意味
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氷は水の上に張るものだと思っていたのに、冬の夜の氷は、袖に張るものであったのだ。
- 鑑賞
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巻第四 冬歌 233
詞書「題しらず」
氷は水の上に張るものと思っていたが、冬の夜の氷は袖に張るものだったと気づく歌である。涙に濡れた袖が冬の夜の寒さに凍ることを言外に示し、独り寝の悲しみを、氷のありかの意外さによって表している。
初句「水の上に」は、水の上に張るものと、の意である。
二句「思ひしものを」は、思っていたのに、の意で、「ものを」は逆接を表す。
三句「冬の夜の」は、冬の夜の、の意である。
四句「氷は袖の」は、氷は袖の、の意である。本巻の第二百二十七首が思いの火で水が凍らないと詠んだのに対し、ここでは袖が凍るとして、水と袖とで対をなしている。
結句「ものにぞありける」は、ものであったのだ、の意で、係助詞「ぞ」を受けて連体形「ける」で結ぶ。「けり」は気づきの詠嘆を表す。
そで:着物の袖。涙に濡れる袖は悲しみを表す
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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飛び通ふ鴛鴦の羽風の寒ければ 池の氷ぞ冴えまさりける
- 次の歌
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ふしづけし淀の渡りを今朝見れば 解けん期もなく氷しにけり