高砂の松に住む鶴冬来れば
尾上の霜や置きまさるらん
- 歌の意味
-
高砂の松に住む鶴よ、冬が来ると、峰の上の霜がいっそう置き重なるのだろうか。
- 鑑賞
-
巻第四 冬歌 237
詞書「恒徳公の家の屏風に」
高砂の松に住む鶴を思い、冬が来れば峰の上の霜がいっそう深く置くのだろうかと詠む歌である。松と鶴という長寿の取り合わせに、白い霜を重ね、白一色の冬の景を描いている。詞書によれば、前歌と同じく恒徳公すなわち藤原為光の家の屏風に添えた歌である。
作者の「もとすけ」は清原元輔である。清原深養父の孫で、梨壺の五人の一人として後撰和歌集の撰進と万葉集の訓読に携わった。清少納言の父で、三十六歌仙に数えられる。
初句「高砂の」は、播磨国の松の名所である高砂の、の意である。前歌の三句「たかさごの」を受けている。
二句「松に住む鶴」は、松に住む鶴、の意で、松と鶴は長寿を表すめでたい取り合わせである。
三句「冬来れば」は、冬が来ると、の意である。
四句「尾上の霜や」は、峰の上の霜が、の意で、「や」は疑問の係助詞である。鶴の白さに霜の白さを重ねている。
結句「置きまさるらん」は、いっそう置き重なるのだろうか、の意で、係助詞「や」を受けて連体形「らん」で結ぶ。
をのへ:山の頂。峰の上
おきまさる:霜などがいっそう多く置く
- 作者
-
清原元輔
- 出典
-
拾遺和歌集
- 前の歌
-
冬されば嵐の声もたかさごの 松につけてぞ聞くべかりける
- 次の歌
-
夕されば佐保の河原の川霧に 友まどはせる千鳥鳴くなり