夕されば佐保の河原の川霧に
友まどはせる千鳥鳴くなり
- 歌の意味
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夕方になると、佐保の河原に立ちこめる川霧の中で、友を見失った千鳥が鳴いている。
- 鑑賞
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巻第四 冬歌 238
詞書「題しらず」
夕暮れ、佐保の河原に立ちこめる川霧の中で、仲間を見失った千鳥が鳴いていると詠む歌である。霧に閉ざされた河原と、友を求める千鳥の声とによって、冬の夕べの心細さを描いている。
作者の「紀とものり」は紀友則である。紀貫之の従兄にあたり、古今和歌集の撰者の一人であるが、集の完成を見ずに没したとされる。三十六歌仙に数えられる。
初句「夕されば」は、夕方になると、の意である。本巻の第二百三十六首の初句「冬されば」と同じ形である。
二句「佐保の河原の」は、大和国の佐保川の河原の、の意で、佐保川は千鳥の名所として詠まれる。
三句「川霧に」は、川霧の中で、の意である。
四句「友まどはせる」は、友を見失った、の意である。
結句「千鳥鳴くなり」は、千鳥が鳴いているようだ、の意で、「なり」は音を聞いて判断する推定の助動詞である。本巻の第二百二十四首と同じ結句であり、冬の夜の川風に鳴く千鳥に対し、こちらは夕べの川霧に鳴く千鳥を詠んでいる。
まどはす:見失う。はぐれさせる
かはぎり:川面に立ちこめる霧
- 作者
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紀友則
- 出典
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拾遺和歌集
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高砂の松に住む鶴冬来れば 尾上の霜や置きまさるらん
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浦近く降りくる雪は白波の 末の松山越すかとぞ見る