我が宿の雪につけてぞふるさとの
吉野の山は思ひやらるる
- 歌の意味
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我が家に降った雪につけて、古い離宮のあった吉野の山のことが自然と思いやられる。
- 鑑賞
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巻第四 冬歌 247
詞書「題しらず」
我が家の雪を見るにつけて、かつて離宮のあった吉野の山の雪景色が自然と思いやられると詠む歌である。身近な雪から遠い雪の名所へと思いを広げ、古さびた吉野へのしみじみとした心を表している。
作者の「よしのふ」は大中臣能宣である。伊勢神宮の祭主を務めた大中臣氏の出で、梨壺の五人の一人として後撰和歌集の撰進と万葉集の訓読に携わった。三十六歌仙に数えられる。
初句「我が宿の」は、我が家の、の意である。前歌の三句と同じ語で、我が家の雪を詠む歌が続く。
二句「雪につけてぞ」は、雪に寄せて、雪を見るにつけて、の意で、係助詞「ぞ」による強調である。
三句「ふるさとの」は、雪の「降る」と、昔の都や離宮のあった所の意の「古里」とを掛ける。
四句「吉野の山は」は、大和国の吉野山は、の意で、古く離宮が置かれた地である。本巻の第二百四十三首でも吉野の山の雪が思いやられている。
結句「思ひやらるる」は、自然と思いやられる、の意で、「るる」は自発の助動詞「る」の連体形であり、係助詞「ぞ」を受けて結ぶ。
ふるさと:雪の「降る」と、昔の都や離宮のあった所の意の「古里」とを掛ける
おもひやる:遠くのことに思いをはせる
- 作者
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大中臣能宣
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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夜ならば月とぞ見まし我が宿の 庭白妙に降れる白雪
- 次の歌
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我ひとり越の山路に来しかども 雪ふりにける跡を見るかな