人はいさ犯しやすらん冬来れば
年のみ積もる雪とこそ見れ
- 歌の意味
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他の人は罪を犯しているのかどうか、さあわからない。私は、冬が来ると、ただ年ばかりが積もる雪と見るばかりだ。
- 鑑賞
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巻第四 冬歌 260
詞書「屏風の絵に、仏名の所」
仏名会の場面に寄せて、他の人は罪を犯しているかどうか知らないが、自分には冬が来て積もるのは罪ではなく年ばかりだと詠む歌である。罪の懺悔をする法会を背景に、積もる雪を罪ではなく老いに重ね、年の暮れの感慨を表している。詞書によれば、屏風の絵に仏名会の場面が描かれていたのに添えた歌である。
作者の「かねもり」は平兼盛である。光孝天皇の流れをくむ平氏の出で、平安時代中期の歌人である。天徳四年の内裏歌合での活躍で知られ、三十六歌仙に数えられる。
初句「人はいさ」は、他の人はさあどうか、の意で、「いさ」はよくわからないことを表す。
二句「犯しやすらん」は、罪を犯しているのだろうか、の意で、係助詞「や」を受けて連体形「らん」で結ぶ。ここで句切れとなる。
三句「冬来れば」は、冬が来ると、の意である。
四句「年のみ積もる」は、年ばかりが積もる、の意で、「のみ」は限定を表す。前歌までの仏名の歌が罪の消えることを詠んだのに対し、ここでは積もるのは罪ではなく年だとしている。
結句「雪とこそ見れ」は、雪と見ることだ、の意で、係助詞「こそ」を受けて已然形「見れ」で結ぶ。
をかす:罪を犯す
- 作者
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平兼盛
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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雪深き山路に何に帰るらん 春待つ花の陰にとまらで
- 次の歌
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数ふれば我が身に積もる年月を 送り迎ふと何急ぐらん