今年生ひの松は七日になりにけり
残りのほどを思ひこそやれ
- 歌の意味
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今年生えた松の若木は、七日を迎えた。これから先に残る千年の長い時を思いやることだ。
- 鑑賞
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巻第五 賀歌 269
詞書「右大将藤原実資産屋の七夜に」
今年生まれた子を今年芽生えた松の若木にたとえ、その松が七日を迎えたと祝い、千年を生きる松の残りの長い年月を思いやる歌である。わずか七日を経た若松に、これから先の限りない長寿を重ねている。詞書によれば、右大将藤原実資の家の産屋の七夜の祝いに詠んだ歌である。
作者の「平かねもり」は平兼盛である。光孝天皇の流れをくむ平氏の出で、平安時代中期の歌人である。天徳四年の内裏歌合での活躍で知られ、三十六歌仙に数えられる。
初句「今年生ひの」は、今年生えた、の意で、六音の字余りである。生まれたばかりの子をたとえている。
二句「松は七日に」は、松は七日に、の意で、千年を生きるとされる松に七日を取り合わせている。
三句「なりにけり」は、なったことだ、の意で、「に」は完了、「けり」は詠嘆の助動詞である。ここで句切れとなる。前歌の結句「七日なりける」を受けている。
四句「残りのほどを」は、残りの年月を、の意で、松の千年のうち七日を除いた残りの長さをいう。
結句「思ひこそやれ」は、思いやることだ、の意で、係助詞「こそ」を受けて已然形「やれ」で結ぶ。巻第四の第二百十七首の四句、第二百三十首の結句も同じ「思ひこそやれ」で遠くのものを思いやったが、ここでは遠い未来の年月を思いやっている。
おふ:草木が生える。生ふ
- 作者
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平兼盛
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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君が経ん八百万代を数ふれば かつがつ今日ぞ七日なりける
- 次の歌
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千年とも数は定めず世の中に 限りなき身と人も言ふべく