- 歌の意味
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初めて結う元結の濃い紫の色が、やがて衣の色に移ってほしいと思う。
- 鑑賞
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巻第五 賀歌 272
詞書「三善すけただ、冠し侍りける時」
元服で初めて結った元結の濃紫の色が、そのまま衣の色に移ってほしいと願う歌である。濃い紫は高い位の者が着る袍の色とされ、元服した若者が将来高い位に昇ることを予祝している。詞書によれば、三善すけただが元服して初めて冠をつけた時に詠んだ歌である。
作者の「よしのふ」は大中臣能宣である。伊勢神宮の祭主を務めた大中臣氏の出で、梨壺の五人の一人として後撰和歌集の撰進と万葉集の訓読に携わった。三十六歌仙に数えられる。
初句「結ひ初むる」は、初めて結う、の意である。
二句「初元結の」は、元服で初めて髪を束ねる元結の、の意である。
三句「濃紫」は、濃い紫色をいい、高い位の者が着る袍の色である。前歌に続いて元服の歌が並ぶ。
四句「衣の色に」は、衣の色に、の意である。
結句「移れとぞ思ふ」は、移ってほしいと思う、の意で、係助詞「ぞ」を受けて連体形「思ふ」で結ぶ。「移る」は色が染み移る意で、紫の縁語である。
もとゆひ:髪の髻を結び束ねる紐
かうぶりす:元服して初めて冠をつける
- 作者
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大中臣能宣
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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老いぬれば同じ事こそせられけれ 君は千代ませ君は千代ませ
- 次の歌
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山科の山の岩根に松を植ゑて 常磐堅磐に祈りつるかな