くらゐ山峰まで突ける杖なれど
今万代の坂のためなり
- 歌の意味
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位山の峰まで突いて登りつめた杖ではあるけれども、今は万代の長寿の坂を登るための杖である。
- 鑑賞
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巻第五 賀歌 281
詞書は前の歌に続き「同じ人の七十の賀し侍りけるに、竹の杖を作りて」
位山の峰まで突いて登りつめた杖ではあるが、これからは万代の長寿の坂を越えるための杖だと詠む歌である。飛騨の位山に官位を掛け、すでに最高の位に昇った実頼の栄達を称えつつ、さらに長寿の坂を越えていくことを祝っている。詞書によれば、前歌と同じく藤原実頼の七十の賀に竹の杖を作って贈った時の歌である。
作者の「よしのふ」は大中臣能宣である。伊勢神宮の祭主を務めた大中臣氏の出で、梨壺の五人の一人として後撰和歌集の撰進と万葉集の訓読に携わった。三十六歌仙に数えられる。
初句「くらゐ山」は、飛騨国の歌枕の位山に、官位の意の「位」を掛けている。
二句「峰まで突ける」は、峰まで杖を突いて登りつめた、の意で、最高の官位に達したことをたとえている。
三句「杖なれど」は、杖であるけれども、の意で、前歌の三句「杖なれば」と対をなしている。
四句「今万代の」は、今は万代の、の意である。
結句「坂のためなり」は、坂のためである、の意で、重ねていく年齢を坂にたとえている。
くらゐやま:飛騨国の歌枕の位山と、官位の意の位とを掛ける
さか:坂。ここでは重ねていく年齢をたとえる
- 作者
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大中臣能宣
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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君がため今日切る竹の杖なれば またも尽きせぬよよぞこもれる
- 次の歌
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吹く風によその紅葉は散りくれど 君が常磐の影ぞのどけき