生ひ初むるねよりぞしるき笛竹の
すゑのよ長くならんものとは
- 歌の意味
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生え始めた根からも、笛の音色からも、はっきりとわかる。この笛竹の節々が長く伸びるように、行く末の世も長く続くものだということが。
- 鑑賞
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巻第五 賀歌 297
詞書「天暦の御時、清慎公御笛奉るとて、詠ませ侍りければ」
笛竹が生え始めた根からも、笛の音色からも、行く末の世が長く続くことがはっきりわかると詠む歌である。竹の根と笛の音、竹の節と世とを掛け合わせ、笛の献上に寄せて御代の長久を祝っている。詞書によれば、村上天皇の天暦の御代に、清慎公すなわち藤原実頼が天皇に御笛を献上するにあたり、作者に詠ませた歌である。
作者の「よしのふ」は大中臣能宣である。伊勢神宮の祭主を務めた大中臣氏の出で、梨壺の五人の一人として後撰和歌集の撰進と万葉集の訓読に携わった。三十六歌仙に数えられる。
初句「生ひ初むる」は、生え始める、の意である。
二句「ねよりぞしるき」は、竹の「根」と笛の「音」とを掛け、根からも音からもはっきりとわかる、の意となる。係助詞「ぞ」を受けて連体形「しるき」で結ぶ。ここで句切れとなり、倒置によってわかる内容を後に示している。
三句「笛竹の」は、笛を作る竹の、の意である。
四句「すゑのよ長く」は、行く末の「世」と、竹の節と節の間をいう「節(よ)」とを掛ける。本巻の第二百七十五首の「松と竹とのすゑのよ」と同じく、竹に寄せて行く末の長さを祝っている。
結句「ならんものとは」は、なるであろうということは、の意である。
ね:竹の根の意と、笛の音の意とを掛ける
よ:行く末の意の世と、竹の節と節の間の意とを掛ける
ふえたけ:笛を作る竹
- 作者
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大中臣能宣
- 出典
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拾遺和歌集
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誰が年の数とかは見ん行き帰り 千鳥鳴くなる浜の真砂を
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千年ともなにか祈らんうらに住む 鶴の上をぞ見るべかりける